メルセデス・ベンツの一連の決定には、モデル刷新サイクルやプラットフォーム移行に加え、次世代EVアーキテクチャの開発を軸に据えた戦略的な優先順位づけがある。これらを重ねて見ると、タイミングは綿密に設計されたものだと感じられる。

同社はオンラインのコンフィギュレーターで複数モデルの受注を制限。対象はAクラス セダン(V177)、Bクラス ハッチバック(W247)、CLA クーペ(C118)、CLA シューティングブレーク(X118)だ。実質的に、これらはディーラー在庫からのみ購入できる状態となり、現行型がいよいよ終盤に差しかかったことを示唆している。

電動クロスオーバーのEQBは生産を終了し、その後継として電動のGLB EQが2025年12月8日に正式発表される予定。ガソリン仕様のGLB(X247)も生産が止まっており、新しいガソリンGLBは来春、2026年3〜4月ごろに登場する計画だ。段階的なスケジュールは周到なバトンタッチを物語る一方で、刷新モデルのお披露目まで利用者には待ち時間が生じるだろう。

また、4ドアスポーツのAMG GT(X290)も生産終了となる。その後継は2026年秋に、高性能EVのAMG EAとして800Vシステムを備えて登場する計画だ。パフォーマンスラインの方向性を次の電動化フェーズへ揃える動きとして、整合性の取れた一手といえる。