あと140台。それが売れれば、日本でジープ・ラングラーの歴史の一章が閉じる。ステランティス・ジャパンは9月10日、ルビコン2ドア・ファイナルエディションを899万円で発売した。メーカーは明言している。現行世代の2ドア・ラングラーが日本へ導入されるのは、これが最後だ。
1年前には、こんな結末が決まっていたようには見えなかった。2025年11月、ジープは2ドアのルビコン150台を854万円で日本に導入した。2026年1月に経済的な追加料金が導入されると、価格は874万円へ上昇。そして今回のファイナルエディションは、さらに25万円高い。上昇率は約2.9%。では、その値上げで何が手に入るのか。少なくとも、技術的な革命ではない。
この最後の特別仕様車の価値は、2ドアというボディそのものと専用の仕立てにある。2ドア・ラングラーは4ドア版より全長もホイールベースも550 mm短く、最小回転半径はわずか5.3 m。それでもルビコンは、ロックトラック、デフロック、切り離し式フロントスタビライザーという本格的な悪路装備を失っていない。ファイナルエディションには、ボディ同色のフェンダーフレアと、ルビコン・アピアランス・パッケージのハードトップが加わる。
全140台のうち、90台はアンヴィルグレー、残る50台はブライトホワイトとなる。ラングラーそのものが日本から消えるわけではない。姿を消すのは、現行世代の短い2ドア仕様だけだ。初期のジープに近いプロポーションを色濃く残し、短いホイールベースによって険しい地形でも実利を持っていたモデルである。
しかも、この別れがジープ85周年の年に訪れたのは象徴的だ。わずか1か月前、ブランドはラングラー85周年記念エディションを発表したが、こちらはすでに4ドアのアンリミテッド・ルビコンがベース。限定100台で、価格は944万円だ。ファイナルエディションが完売すれば、日本のラングラー史は現行世代の短い2ドア・ボディなしで続いていくことになる。
そして、ここからが興味深い。ステランティス・ジャパンが確認しているのは、あくまで現行2ドア・ラングラーの導入終了だけで、次世代でこの形式が復活するかどうかは明らかにしていない。2ドアのジープを永遠に葬るのはまだ早い。ただし、日本の現行ラングラーについては終幕が決まった。残るのは最後の140台だけだ。