たった一つのベッドがKiaのEVバンを泊まりたくなる車に静かに変えていく

たった一つのベッドがKiaのEVバンを泊まりたくなる車に静かに変えていく
Toy Factory
ドミトリー・ヤキン

日本のトイファクトリーがKia『PV5 パッセンジャー』向けベッドキットを発売、本格的なキャンピングカー改造なしにダブルベッドと収納を実現した。

電気自動車のバンが本当に「わが家」のように感じられるかどうか、世界がまだ議論を続けている間に、日本のトイファクトリーは製品というかたちで答えを出してしまった。同社はKia『PV5 パッセンジャー』専用のベッドキットの販売を開始した。2026年5月に締結したKia PBVとの正規ディーラー契約以降、初となる製品だ。そしてこのキットは、フルサイズのキャンピングカー改造をしなくても、EVバンを本当の意味で「泊まれる車」に変えられることを、一目で証明してみせる。

コンセプト自体は拍子抜けするほどシンプルだ。いわば「EVにぬくもりを」。PV5の車内には全長1850mm、幅1400mmの就寝スペースが出現する——実質的にはダブルベッドで、大人2人が足を伸ばして横になれる広さだ。些細なことに聞こえるだろうか。そうではない。週末のちょっとした旅では、派手なキャンプ装備よりもこちらのほうがずっと重要になる。眠りが不快になった瞬間、「泊まれる車」という発想そのものの意味が失われてしまうからだ。

ベッドは分割構造のマットで構成され、1枚ずつあえて軽量に仕上げられている。就寝スペースの設営や片付けに腕力はいらない——女性でも子どもでも、同じように手軽に扱える。マットの下には、ベッドを完全に展開した状態でもアクセスできるキャンプ用品や荷物のための収納スペースが確保されている。シートの片側だけを上げたままにして、同乗者や荷物のためのスペース、あるいはくつろぎの場所として残すこともできる。

張り地は2種類から選べる。伝統的な日本の「尾州織」と、プレミアムスエードだ。家具はPV5パッセンジャーの内装に合わせた新色「モカホワイト」で登場し、外装にはウッド調デカールを追加できる。狙いは明快だ。冷たく技術的な印象のEVを視覚的に柔らかく見せることで、車内が一般的な商用バンのように見えなくなる。

Kia PV5 Passenger
© Toy Factory

日本国内の価格は、ファブリック仕様のベッドキットが33万円から。配送・取付費用は別途となる。プレミアムスエード仕様は34万1000円。ラゲッジ家具は18万9200円、サイドボードは2万7500円、カップテーブルとウッド調デカールはそれぞれ3万8500円で用意されている。

ベッドキット、家具、サイドボード、テーブルをまとめたコンプリートパッケージは、10%オフを適用して56万1330円。このキットは7月11日・12日、東京ビッグサイトで開催される「東京キャンピングカーショー2026」で展示される。Kiaにとっては、同じ1台のEVバンがシャトルにも、都市部の移動手段にも、ちょっとした旅の寝室にもなれることを改めて示す、格好の機会となりそうだ。

トイファクトリーは、PV5をキッチンやシャワーを備えた本格的な重量級キャンピングカーに仕立て上げようとはしなかった。その代わりに用意したのは、実際の旅で本当に必要なもの——平らな就寝スペース、荷物への容易なアクセス、そして一度の休憩以上に長居したくなる車内空間だ。そういうミニマルさこそが、いちばんうまく機能することもある。

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