名前の数字が大きいと、車も大きく感じられる。だが実際は逆だ。アメリカ市場では、2026年モデルのAudi Q8が7万5600ドルから、対して基本モデルのQ7は6万2000ドルからとなっている。1万3600ドルの差額で手に入るのは、より流麗なボディ — そして失うのは座席一列分だ。
Q7は7人乗り、Q8は5人乗りに限られる。違いは座席数だけにとどまらない。最大ラゲッジ容量はQ7が68.1立方フィート(約1,929リットル)に達するのに対し、Q8は60.7立方フィート(約1,719リットル)にとどまる。三列目シートと引き換えに、200リットル以上のスペースが消える。
基本価格だけを比較するのは公平ではない。基本モデルのQ7は261馬力の2.0リッターターボ4気筒を搭載するが、Q8は最初から335馬力の3.0リッターV6を積む。同じV6エンジンはQ7でも選択可能で — コンフィギュレーターでひとつチェックを入れるだけで出力差は埋まる。両モデルとも8速オートマチックと標準装備のquattroフルタイム4WDを採用する。
同じV6エンジンで比較すると、違いはボディと用途に集約される。Q7は全高・全長が大きく、三列目シートと本格的なラゲッジスペースを必要とする家族向けに明確に設計されている。Q8はルーフが低く、車幅が広く、後席の足元空間が広い — 追加の座席列を詰め込む必要がなかったためだ。
では、割高なQ8に意味はあるのか。「意味がない」と断じるのは、あくまで筆者個人の見解であって事実ではない。大家族にとって合理的な選択肢は、依然としてQ7だ。だがQ8を選ぶ買い手が求めているのは空間ではない。デザイン、低い着座位置、そして追加費用なしの標準V6エンジン — それが対価だ。ここでの価格差は「より大きな車」ではなく、「異なる優先順位」を意味している。
なお、AudiはQ3についても2027年モデルで改良を行ったことが先に伝えられている。