日本国内のボルボ『XC40』プラグインハイブリッド807台が、ある日突然その本来の機能を封じられた。ディーラーでの点検を受けるまで、高電圧バッテリーを外部電源につないで充電しないよう、オーナーに通達されたのだ。理由は不気味なほど具体的——満充電の車両が駐車場で静かに止まっているときこそ、内部短絡が起きるリスクがあるという。
リコール番号4209は2026年7月14日に届け出られた。対象は型式5LA-XB3154XCPのXC40で、2020年1月10日から2021年11月29日までに日本に輸入された車両だ。原因は生産設備そのものにあった。設定が不適切だったため、一部セルの表面が不均一になっていたという。満充電の状態では、この不均一さがモジュール内部の短絡、過熱、そして最悪の場合は火災につながるおそれがある。
ボルボはすべての車両でバッテリーを丸ごと交換するつもりはない。まずディーラーが専用の診断機で各車両を点検する。異常が確認された場合のみ、不具合のあるモジュールを交換し、あわせてバッテリー状態を自己監視する機能を備えた対策プログラムをインストールする。日本国内では、この不具合に関連する火災、事故、確認された故障はいずれも報告されていない。
書類に走行禁止の記載はない。制限はあくまで外部充電に限られる。修理を終えるまでXC40はプラグインハイブリッドとしての魅力の一部を失うことになるが、走行そのものが不可能とされたわけではない。オーナーへは書面または電話で通知される予定だ。
問題は日本国内にとどまらなかった。7月6日、オーストラリアの規制当局も2020~2021年式のXC40 PHEV333台を対象にリコールキャンペーンR10388を発表した。満充電時の過熱リスクは日本と同じだ。ここでも、無償修理が終わるまで充電を控えるようオーナーに求めている。これで両市場合わせて少なくとも1,140台が対象となったが、2件のキャンペーンをそのまま合算してグローバルな合計台数とすることはまだできない。
次に注目すべきは、リコール対象の台数そのものではなく、点検結果だ。ボルボはXC40全体のうち実際にモジュール交換が必要となる割合をまだ公表していない。その数字こそが、この製造不良がバッテリーにどこまで深く及んでいるのか——それとも結局は「怪しいが概ね無害な」ロットだったのかを明らかにするはずだ。