Freelander 8で最大の話題になるのが、トルクベクタリングやディファレンシャルロック、エアサスペンションではなく、2脚の独立した「ゼロ・グラビティ」シートだとは誰も予想していなかった。それでも、角張ったボディやオフロード性能よりも、このシートこそがモデルの印象を大きく変えている。2列目の乗員には暖房・通風・マッサージ機能付きシートと格納式レッグレストが用意され、そばには冷蔵庫、折りたたみ式テーブル、天井のエンターテインメントスクリーンが並ぶ。Freelander 8は「大型SUV」という区分から実質的に外れ、後席の快適性に主眼を置いた6人乗りファミリーカーの領域に足を踏み入れている。
キャビンは2+2+2のレイアウトを採用する。メーカーはすでに46.3インチのパノラマディスプレイ、15.6インチのセンタースクリーン、専用ロータリーコントローラー付きの物理ボタンを公開していた。全長5 118mmまたは5 185mm、ホイールベース3 040mmというサイズは、単なる数値の話にとどまらず、従来のコンパクトなFreelanderを凌駕する。この名前が今や、フルサイズの3列シート車を意味するようになったのだ。その差は数センチではなく、まったく別の思想にある。
そしてまさにここに、本当の転換が表れている。モデルに関する初期の情報は、トラクションコントロール、ディファレンシャルロック、エアサスペンション、角張ったボディを中心に語られてきた。だが発表を前に、ブランドは一貫してオフロード性能ではなくキャビンの快適性を前面に押し出している。冷蔵庫と2列目の本格的なシート2脚は、謳われるオフロード性能と商業的に同等の重みを持ちつつある。快適性を売りにするSUVというのは、それ自体が意外な一手だ。
もっとも、Freelander 8を「新しいランドローバー」と呼ぶのは誤りだろう。JLRはFreelanderというブランド名をライセンス供与する形で、Cheryとの合弁会社に譲渡した。新ブランドはJLR本体のラインアップとは別に運営され、中国側パートナーの電動プラットフォームを採用する。第一弾モデルは2026年後半に中国で発売される予定で、海外展開はそれよりも後になる見込みだ。
価格やグレード構成の詳細、シート・冷蔵庫・スクリーンをどのバージョンにどう振り分けるかは、まだ明らかにされていない。したがって次に注目すべきは、もう一つのインテリアの詳細ではなく価格表だ。ビジネスクラス並みの2列目シートが標準装備に入るのか、それとも上級グレード限定の特権にとどまるのか、それが分かることになる。