ボルボ・トラックは、電気トラックとしてはほとんど不可能に思えることに挑んだ。ドライバーの1シフト分を、充電のための停車を一度もせずに走り切るという構想だ。同社は第2世代の電気長距離トラクター「FH Aeroエレクトリック」の受注を開始し、その最大の売りは最大700kmと発表された航続距離である。受注は2026年6月15日に始まったと、ボルボ・トラックの電動化ソリューション担当ディレクター、ニクラス・アンデション氏が明らかにした。
その裏にある計算はシンプルでありながら野心的だ。この航続距離があれば、途中充電なしで長距離輸送の1日分をカバーできるという計算になる。鍵を握るのは実用バッテリー容量で、競合する電気トラックの多くと比べておよそ100kWh上回る。デモ走行のために作られたトラックと、実際にルートで稼働できる車両とを分けるのは、まさにこの差である。
量産は9月上旬、ベルギーのゲントとスウェーデンのトゥーヴェの2工場で同時に始まる。興味深いのは、電気トラクターが専用の「電動」ラインを持たず、ディーゼルモデルと同じ生産ラインから送り出される点だ。一方で、第1世代の大型車種「FH、FM」「FMXエレクトリック」は同時に生産終了となる。
これはボルボが他のすべてを手放すという意味だろうか。まったくそうではない。ボルボは内燃機関、燃料電池、バッテリーを動力源とするトラックの開発を並行して続けていく。アンデション氏は、電動駆動を推奨するのはルート、充電インフラ、現地の運用条件が許す場合に限られると強調した。すべての道路に通用する万能の答えはまだ存在しない。