モーターを外したら車はもっと走れるようになった、ボルボの一手

モーターを外したら車はもっと走れるようになった、ボルボの一手
A. Krivonosov
ドミトリー・ヤキン

ボルボEX30 Cross Countryから前輪モーターを外した新モデルは、航続距離30km増と低価格化を同時に実現した。何を得て何を失うのかを読み解く。

ボルボがやったことは一見矛盾している。EX30 Cross Countryからモーターを一つ外したのだ。しかし車は航続距離が短くなるどころか、むしろ伸びた。日本では後輪駆動の新モデルが599万円(36万6千ドル)で登場した。四輪駆動モデルより50万円安く、WLTCモードの走行可能距離は以前の500kmから530kmに伸びた。出力は明らかに下がった。それでも航続距離はさらに伸びた。都市部で乗るオーナーにとって、この選択は意外に合理的かもしれない。

ではボンネットの中、というよりフロア下に何があるのか。EX30 Cross Country Ultra P5 Long Range Electricは、272馬力と343Nmを発生する後輪モーターを一つだけ搭載する。上位モデルのP8 AWDは引き続き四輪駆動で、合計428馬力と543Nmを発揮する。両モデルとも同じど69kWhバッテリーを使用するが、後輪駆動モデルは90kg軽く、1790kgとなっている。

外見では、シンプル化されたモデルを四輪駆動モデルと見分けることはできない。そこがまさに狙いだ。マット仕上げの保護パネル、拡張されたホイールアーチ、19インチホイール、195mmの最小地上高はそのまま続く。Ultraグレードの装備も変わらない。パノラマサンルーフ、ヒートポンプ、ステアリングヒーターとシートヒーター、セキュリティカメラ、アダプティブクルーズコントロール、Harman Kardonオーディオはそのまま継承されている。

ここで意外な展開がある。Cross Countryの名を持たない通常の後輪駆動、EX30 Ultra P5 Long Rangeは579万円(35万4千ドル)で、最大560kmまで走れる。つまりCross Country仕様の価格差は20万円(1万2千ドル)だ。対価として購入者は最小地上高20mm分と専用のタフな外見を得る一方で、カタログ上の航続距離30kmを失う。この取引が得かどうかは、購入者自身が判断するしかない。

一方、四輪駆動モデルはひっそり名前が変わった。Ultra Twin Motor PerformanceからUltra P8 AWD Electricへ。仕様と価格(649万円、約39万7千ドル)は変わらず、カラーパレットには新色クラウドブルーが加わった。いずれも日本ですでに発売されている。

なお、Tarantas.newsは以前、ボルボ・カーズがベルギー・ガン工場に最大1億1900万ユーロを支援することで合意したと伝えている。

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