6速MTは終わらない スバルが3車種で示した本気の答え

6速MTは終わらない スバルが3車種で示した本気の答え
A. Krivonosov
ドミトリー・ヤキン

TY85を積むWRX、軽さで攻めるBRZ、そして手の届く5ドアハッチバック。スバルは速いクルマのためだけに新しい組織まで立ち上げた。

業界がマニュアルトランスミッションを葬ろうとしているなか、スバルはそれを掘り起こしている。しかも一気に3車種。2027年までに、3ペダルのスポーツモデルを市場へ投入する。開発を担うのは新設された「スポーツ車両企画室」だ。速いクルマのために生まれた組織で、部署間の調整を減らし、サーキットで得た技術を量産車へ運ぶ道を短くする。

1台目は、かつてWRX STIに積まれていた6速MT「TY85」を得るカタログモデルのWRXである。現行のTY75からの置き換えには理由がある。スバルの藤貫哲郎CTOによれば、TY85は約600Nmに耐える設計で、いまのCVTははるかに控えめだという。つまり2.4リッターターボのFA24をさらに強めるための扉が開いた。では市販車のスペックは。いまのところ沈黙だ。

2台目はBRZクーペの特別仕様。ベースは限定モデルの「STI Sport TYPE RA」で、抽選で配られた300台、ZF製ダンパー、ブレンボ製ブレーキ、そしてスーパー耐久で磨かれたセッティングを備える。出力アップは最初から約束されていない。勝負どころは反応の鋭さ、意のままの操縦性、そしてMTの感触だ。

もっとも興味深いのは、「Performance-B STIコンセプト」の流れをくむ手の届く5ドアハッチバックである。名前もエンジンも駆動方式も、スバルはまだ明かしていない。ただ2026年6月9日、同社は米国とカナダの特許庁に「インプレッサTX」の商標を出願した。3車種の予告からわずか数日後のことだ。タイミングは雄弁である。とはいえ、出願された名前と量産車の名前は、まだ別物だ。

これで本物のWRX STIが戻ると決まったわけではない。日本で発売済みの「WRX STI Sport#」は275PSを発生し、MTとブレンボ製ブレーキ、専用のサスペンション設定を得たが、あくまでWRXの限定仕様であり、かつてのSTIの直系ではない。それでも需要は雄弁だ。600台に対し、9000件を超える申し込みが集まった。新しいトランスミッションは出力を引き上げる余地を与える。量産スペックを、スバルはいまも語っていない。

スバルは以前、複数の工場を異なるタイプのクルマを造れる柔軟な生産体制へ切り替えると発表していた。

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