コンセプトカーは1台もない。スポットライトの下で回る展示台もない。スズキは市販車5台をそのまま湖のほとりへ持ち込み、これらのクルマが週末を過ごしているまさにその場所にブースを構える。5ドアの「ジムニー ノマド」ともう4車種が並ぶのは、2026年7月31日から8月2日まで福島県猪苗代町の天神浜オートキャンプ場で開かれるフェスティバル「GOOUT CAMP 猪苗代 vol.12」だ。
ノマドに寄り添うのは、軽クロスオーバーの「ハスラー」、乗用ワゴンの「エブリイワゴン」、そして新型「クロスビー」で、いずれも純正用品装着車。5台目には「スーパーキャリイ 特別仕様車 Xリミテッド」がHARD CARGO製品をまとって並ぶ。この軽トラックにスズキが用意するのは、仕事と遊びを両立させるための荷台まわりのシステムやアクセサリーだ。
そしてここからが面白い。展示用のハリボテは1台もないのだ。5台はいずれも今まさに日本のショールームに並んでいて、そのほとんどがここ数カ月で手を入れられている。「ジムニー ノマド」が新しい仕様で発売されたのは7月1日。ジムニー一族で唯一の5ドアは、衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」と車線逸脱抑制機能を得て、全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロールも手にした。ただし最後のひとつは4速AT車に限られる。価格はどちらの変速機でも同じ292万6000円だ。デビュー時に何が起きたかも思い出しておきたい。月1200台という計画に対して4日間で約5万台の受注が集まり、注文の受け付けはいったん停止。復活したのは1年後で、しかも納車順は先着ではなく抽選になった。
残る4台も負けていない。「ハスラー」は5月27日に手が入り、新しい顔つき、オートブレーキホールド付きの電動パーキングブレーキ、そして全グレード共通のデュアルセンサーブレーキサポートIIを得た。「エブリイワゴン」は5月8日にフロントまわりを一新し、黒基調の内装、デジタルスピードメーター、全方位モニター付きの9インチナビ、そして拡充された運転支援を手に入れている。そして「クロスビー」は、2025年10月に1.0Lターボと別れを告げ、マイルドハイブリッドとCVTを組み合わせた新しい自然吸気1.2LのZ12E型に乗り換えた、あの1台だ。WLTCモードの燃費は18.2km/Lから22.8km/Lへと伸びた。つまりこのブースは、真新しい市販スズキ車を無菌のパビリオンではなくテントの間という本来の生息地で比べられる、めったにない機会になる。入場にはチケットが必要で、小学生以下は無料。展示車や仕様は変更になる場合がある。
これまでに、スズキ「SJ410」が9psの電動モーターと最大48kmの航続距離を得たと伝えられている。