スマートグリッド最大の敵は技術ではなく人間の面倒くさがり

スマートグリッド最大の敵は技術ではなく人間の面倒くさがり
A. Krivonosov
ドミトリー・ヤキン

ドライバーは接続を忘れる。そこで日産とEaselinkは、ケーブルもいらず自分で電力網につながるクルマを生み出した。手間はゼロだ。

どうやらエネルギーの未来を左右するのは、技術ではなく人間の怠慢らしい。日産とEaselinkは、エンジニアがあまり語りたがらない問題に取り組んだ。電気自動車のドライバーは、単にケーブルを挿し忘れるのだ。英国のSUITEプロジェクトで両社は、駐車後にクルマを自動で電力網へつなぐシステム「Matrix Charging」を試験している。人の手は一切いらない。

すべての鍵はV2Gにある。EVのバッテリーが電力を受け取るだけでなく、網へ送り返す技術だ。紙の上ではほぼ完璧に見える。何千台もの駐車中のクルマが、電力システムのための巨大な分散型バッテリーへと姿を変える。ところが現実は? すべてが一つの単純な人間の習慣に打ち砕かれる。充電残量が多いほど、オーナーは駐車時にわざわざ接続しなくなる。日産はそれを身をもって知っている。世界各地で積み重ねた10年分のV2Gプロジェクトが、その裏付けだ。

日産テクニカルセンター・ヨーロッパの担当者、カズユキ・サカモト氏は、企業的な言い回しを一切使わずにこう言い切った。「私たちの実地での経験は、ユーザーの充電行動が依然としてV2Gの潜在能力を十分に引き出すのを妨げる決定的な要因であることを示しました」。どれほど熱心なEVオーナーでも、航続距離が一日分足りていればケーブルに手を伸ばさない。

Matrix Chargingは、この一手間を方程式から丸ごと消し去る。クルマの床下にはコネクター、駐車スペースには専用のパッドが置かれる。クルマがその上に停まると、柔軟なエレメントがひとりでに降りて有線接続をつくる。これはワイヤレスの誘導充電ではなく、手作業のケーブルがいらない伝導式充電だ。接点はできるが、ドライバーの手が触れることはない。このプロジェクトは、双方向AC-V2G環境における自動充電の世界初の適用と呼ばれている。日産テクニカルセンター・ヨーロッパが、英国政府の支援のもとで主導する。

そして、ここからが面白い。日産とEaselinkは、AudiおよびVoyahとともにMatrix Charging Interest Groupに集結し、ブランドや市場をまたいでシステムの技術パラメーターをすり合わせる。Easelink創業者のヘルマン・シュトッキンガー氏は、プロジェクトのノウハウがそのまま技術仕様に反映され、世界標準の土台になり得ると語った。

同社の技術ディレクター、グレゴール・エックハルト氏は、V2GがEaselinkの長期戦略の柱の一つであり続けると付け加えた。もしこの種の充電が普及すれば、静かな革命が訪れる。EVはもはやオーナーの規律に頼らなくなる。クルマはただ停まるだけ。そしてすでに働く準備ができている。ドライバーのためだけでなく、電力網全体のために。

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