日産フロンティアがブラジルから静かに姿を消した—しかも誰も公式に発表しようとしなかった。日産ブラジルの現行ラインナップに残るのは、もはやキックス、カイト、ヴェルサだけだ。フロンティア専用ページはまだ技術的には残っているが、それも時間の問題に見える。
数字がすべてを物語っている。ブラジルでのフロンティア登録台数は2025年に5 091台—前年の9 258台から45%近く落ち込んだ。そして2026年7月、これまで考えられなかったことが起きた。登録台数はわずか34台。前年同月比87%減という急落で、BYDシャークの42台にすら及ばない。中国勢のライバルが、ブラジルのピックアップの伝説を追い抜いた瞬間だった。
後継車はすでに存在する。だが、確定した事実と単なる予測を早合点で結びつけてはいけない。4月、日産は中国製フロンティア・プロを中南米、ASEAN、中東へ投入すると正式発表した。ブラジルは一度も名指しされていない。Motor1はすでに同国内でテスト走行中のフロンティア・プロPHEVを確認し、有力な後継候補と見ている。日産自身はまだその地位を与えていない。
退役するピックアップと新顔の間には大きな隔たりがある。公式発表によれば、1.5リッターターボエンジンとプラグインハイブリッドシステムを組み合わせ、出力は300kW超—408馬力超—、トルクは800Nmに達する。NEDCサイクルでのEV走行距離は最大135kmとされる。さらに四輪駆動、4High/4Lowモード、電気式リアデフロックも備える。旧世代のディーゼルピックアップと、未来を見据えたハイブリッドピックアップ—本当の争点はそこにある。
そしてこれは全体像の一部にすぎない。フロンティア・プロは、中国で開発された車両を軸とする日産のより大きな輸出戦略の一環だ。同社にとって中国は、とうの昔に単なる販売市場ではなくなっている。日産は中国を、より速い開発、低コスト、そして世界輸出向けモデルの源泉だと公言している。
現時点の状況をまとめるとこうなる。旧フロンティアはブラジルの現行ラインナップから消え、フロンティア・プロは中南米向けとされている。だが、この二つの事実を結びつけて「中国製ハイブリッドはすでにブラジル向け後継車として正式決定した」と言い切るのは時期尚早だ。次に確実な確認材料となるのは、日産ブラジルによる正式な発表か、価格とグレードを備えたフロンティア・プロが現地カタログに登場することのいずれかになるだろう。