ボルボがPHEVの存在意義そのものを見直している。そしてその解決策は、これまで何が問題だったのかを雄弁に物語っている。同社はヨーロッパでPHEVの位置づけを大幅に強化する一方で、使い方の发想そのものを書き換えようとしている。Volvo UKのトップ、Nicole Melillo Shaw氏は直言した。電気走行距離が短いことで、オーナーが次第に充電をしなくなり、事実上普通のガソリン車のように乗ってしまうケースが相次いでいたという。
新世代はこれを変えなければならない。日常の走行の大部分を、エンジンを一度もかけずにこなす。現行の英国XC60とXC90はEV走行で約50マイル、約80km程度。あまり印象的ではない。新戦略の最初の例が新型XC70だ。ボルボは中国のCLTCサイクルで200km以上のEV走行距離を実現したとしている。これはWLTP基準の200kmとは別物で、欧州の公式認定値はもっと低くなる。しかし、この野心の大きさ自体がすでに語っている。新型XC70は長距離PHEV専用の新プラットフォームSMAを採用し、バッテリーは0%かよ80%まで約23分で充電できる。
ボルボはXC70の欧州導入を検討中であることをすでに表明している。Automotive Newsによれば、制御改良後のXC60でも同様のパワートレインが準備されており、より大容量のバッテリーによって現行モデルのEV走行距離が2倍以上になる見込みだという。ただしボルボ自身はこのXC60の仕様をまだ公表しておらず、この点はあくまで未確定情報だ。しかも、先に待つ変化はさらに根本的なものになりそうだ。
ボルボは自社戦略の中で、次世代PHEVを「バッテリーが主、ガソリンエンジンは予備」という位置づけのクルマと定義している。幹部は以前、EV走行距離の目安として約100マイル(約160km)、総走行距離800~1000kmを挙げていた。適切な条件下ではエンジンがホイールに直接連結することもあり、定義上は典型的なシリーズ式EREVではない。
この方針にはごく現実的な理由がある。欧州のデータは、PHEVが実験室外ではしばしばはるかに非効率であることを示している。欧州委員会によれば、実際のCO2排出量は平均で認定値の約3.5倍に達し、オーナーがテストサイクルの想定より頃繁に充電していないことも一因とされる。ボルボの自社データはそれより良い数値を示しているという。
同社は以前、PHEVオーナーの走行時間のおおよそ半分がエンジンを使わなEVモードであり、消費エネルギーの50%以上が充電由来の電力であると発表していた。ハイブリッドへの賭けは需要とも直結する。英国では2026年の最初の7ヶ月間でボルボは完全電気車を約9000台販売した一方、ガソリンエンジン搭載車は約3万1000台で、うち約7000台がPHEVだった。
つまり同社はEV路線を放棄したわけではなく、移行が当初の想定より遅いことを認めているにすぎない。言い換えればボルボは、旧世代PHEVの最大の弱点を、さらなる燃費数値の向上ではなく大容量バッテリーで解消しようとしている。日々の100~150kmを本当にガソリンなしで走らせるなら、エンジンが必要なのは主に遠距離移動時だけ――これがボルボの考える「本来の使い方」に忠実なハイブリッドだ。
なお、Tarantas.newsは以前、Geelyが2028年以降、ボルボの欧州工場でプレミアム車を生産する方針だと報じていた。具体的なモデルはまだ名指しされていない。同社はこれと並行して、スペインのFord工場で2機種の電気車生産も準備している。